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2020/08/06 12:40

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先日、別府を代表する工芸品『つげブラシ』を作られている

「別府つげ工芸」さんの工房にお邪魔しました。

「別府つげ工芸」さんは、初代から引き継ぐ透かしや彫りの技術を駆使して幅広い商品を展開する創業100年以上の老舗。

別府駅から徒歩20分ほどの松原町に店舗兼工房があります。

三代目の奥様で、職人の一人として活躍されている安藤さんに、工房を案内して頂きました。


「ピンを作る」、「土台を作る」、「部品を研磨して表面を滑らかにする」、「土台にピンを取り付ける」

それぞれの工程には機械が配置され、職人の方が慣れた手つきで作業しています。

 


すべての工程を機械で行うことも試みたそうですが、

素材は自然のもののため、使える部分と使えない部分などを見極めるために、どうしても人の手は欠かせなかったのだそうです。

 

スピードだけをみれば、人の手で行った方が早く出来るけれど、

ピンを打つ穴の間隔をきれいに揃えるために、あえて機械を使うことにしたそう。


「地肌に当たるピン先をいちばん気にして作っています。少しでもきちんとしたものがいいから。

ピン先の並べ方がチグハグしているよりも、きれいに並んでいたほうがいい。

厳密に見ないとわからないですが、パソコンを使うことによって変わりましたね。」

と、安藤さんが教えてくれました。

 

人の手作業だから出来ること、機械だからできる仕上がり。

見た目も使い心地も、どうしたらより良い商品をお客様に提供できるか、試行錯誤している様子がうかがえました。


 写真:等間隔に開けられた穴に接着剤を入れ、ピンをひとつひとつ手作業ではめていきます。



 写真:等間隔に開けられ接着剤を入れた穴に、ピンをひとつひとつ手作業ではめていきます。


写真:ピンが外れないよう、機械を使って押し込んでいく作業。ピンに角度の付いたブローブラシの仕上げには熟練の技術が必要です。


つげのブラシは使い込むほどに色が徐々に変化するのも魅力の一つ。

お手入れにも椿油を使用することで、ブラシに艶が増し、飴色の深みが増していきます。

経年変化を楽しめる、まさに育てていくブラシと言えるのではないでしょうか。


 

写真:ブラシは仕上げに全体を椿油に浸され、じっくりと時間をかけ染み込ませていきます。全体を椿油に浸された猫ブラシは、つやつやと気持ちよさそうに微笑んでいるように見えました。


工房を見学させていただいた後、先代や安藤さんご自身が以前製作された作品を見せていただきました。

細やかな透かしや彫りの細工が施されたブローチや飾り櫛。

繊細で確かな技術が光る美しい作品を目の前にいた瞬間、これが人の手によって作られたものなのかとドキドキしました。

 



最後に、 今後どのような商品を作っていきたいかをお伺いすると

「主人が最終的にはつげはアクセサリーだろうなって。

今は難しいけれど、最終的には作りたいなぁと思っています。

透かしと彫りを合わせたものをね。今風のデザインもね」と、教えてくださいました。


伝統的な技術を受け継ぎながらも、時代の流れに寄り添い進化していく。

心ときめく商品に出会える日が今から楽しみです。


確かな技術で丁寧に作られた別府つげ工芸さんの「ブローブラシ」はこちらからも購入可能です。

ご自身で育てていく、一生モノのブラシ。

生活の中に取り入れてみませんか?



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